寝具に関して

「寝だめ」ってできるの?

  • 再生回数:10555

「寝だめ」ってできるの?

はじめまして、商いの街・船場にて、心地よい眠りのための寝具の販売している「日の本寝具」の高谷です。

残業や飲み会など、ついつい平日の睡眠時間は削られてしまうもの…。日々の睡眠不足を補うため、休日に「寝だめ」をしているビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。

「慢性的な睡眠不足を抱えている人が睡眠不足を解消するまでに、9時間睡眠を1カ月以上続ける必要がある」という症例結果があるように、睡眠不足はちょっとした借金ではなく、多大な借金と同じくすぐには返済しきれないといった意味を込めて「睡眠負債」という言葉はスタンフォード大学のデメント博士が1990年代に提唱しました。

広く周知されている「寝だめ」ですが、そもそも“ためる”という表現自体が不適切です。実際にはためているのではなく、平日の睡眠不足を補っている状態。食事をイメージすると分かりやすいですが、いくらお腹いっぱい食べたからといって、その後何日も食事をとらないでいるのは難しいもの。睡眠も同様で、集中的にたくさん寝たからといって、翌週以降の睡眠分をためられるわけではありません。また、スマホなどのバッテリーに例えると、8時間でフル充電できるバッテリーを12時間コンセントにつなげても、使用できる時間が長くならないのと同じようなものです。

前日までの睡眠不足を取り返そうと、休日のほとんどを寝て過ごしてしまうビジネスパーソンも多いはず。しかし、「寝だめ」には睡眠を貯蓄する力はなく、あくまで平日にたまった睡眠負債を返しているに過ぎません。

しかし、仕事が忙しく平日に十分な睡眠時間がとれない人は、週末にたっぷり眠る「寝だめ」で睡眠不足を解消しようとする人も多いかもしれません。

ですが、週末の寝だめは、朝寝坊して昼近くまで寝てしまいがち。それによって体内時計がズレて、その日の夜の寝つきが悪くなり、月曜の朝すぐ起きられない“時差ボケ”を生みます。結果、週明けからダルいという悪循環のスパイラルに陥りやすいのです。

時間がない方は睡眠の質の見直しを

「睡眠の質を下げる要因」を排除することも重要です。睡眠の質には、騒音・温度・湿度・寝るときの服装・アルコール摂取量・体内リズムなどさまざまな要素が影響を及ぼします。過度な寝酒や夕方以降のカフェインの摂取を避けて、睡眠環境を整えるよう意識してみましょう。

また、睡眠の質を下げる要因として、「自分に合っていない寝具」を使用している場合があります。

私は、寝具専門店の一販売員として、実際に多くのお客様の眠りの悩みや寝具と身体との関係を見ていく中で、寝具が身体に合っていないことが原因でこんなにも身体の不調と関係があるのか……ということに気づき、驚きました。

寝具は、確かに見た目の形やサイズは同じようなものが多く、特徴がないように見えますが、敷き寝具であれば全身で、枕であれば特に敏感な首で感じることで、ポイントさえわかれば、これほどわかりやすい道具はありません。

そんな寝具と身体の関係を紐解き、少しでも多くの方が自分に合った寝具に巡り合えるような書籍を出版しました。

体験談を交えながら、個人にフィットする寝具の見つけ方を紹介しています。

書籍『美眠求真』⇒購入ページ(Amazon)

お問い合わせはこちら

この記事を監修した人
日の本寝具株式会社 代表 高谷和志 
・睡眠健康指導土上級 
・睡眠環境診断士 
・インテリアコーディネーター